用語集

行政書士

役所に対して提出する書類、私人間の契約関係の書類、事実証明に関する書類を作成する業務や、それについての相談業務を行う者のこと。業務内容は多岐にわたる。相続・遺言関係では、公正証書作成業務や遺産分割協議書作成などを行う。

税理士

会計と税務の専門家として、納税者の申告納税を手伝う者のこと。
税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つに関しては有償・無償問わず、税理士にしかできない独占業務である。

弁護士

当事者その他関係人の依頼などにより、法律を使ってあらゆる問題や紛争解決に努め、またその他の法律事務を行う者のこと。

司法書士

登記又は供託に関する手続について代理、裁判所、検察庁又は(地方)法務局に提出する書類を作成、法務局長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について代理、簡裁訴訟代理等関係業務を行う(法務大臣が認定した司法書士に限る)ことを業務とする者のこと。

家庭裁判所

主として、家庭事件の審判・調停、少年保護事件の調査・審判の第一審の裁判をするところ。、相続放棄の申立て、遺留分減殺請求の申立て、相続廃除の申立てなども、家庭裁判所にする。

税務署

国税庁の地方支分部局である国税局の行政機関。国税の賦課・徴収に関する事務を行う。

相続

亡くなった方の財産を、その方の死後に法律で相続人に受け継がせる制度。亡くなったと同時に相続が開始される。
よって、亡くなる前に相続が開始することはない。失踪宣告により死亡とみなされた場合にも相続が開始する。なお、年金受給権など亡くなった方の一身に専属したものは承継できない。

失踪宣告

行方不明者の生死不明の状態が長期間続いた場合に、その者を死亡したものとみなして財産・身分関係の整理をできるようにする制度。
不在者(従来の住所又は居所を去り,容易に戻る見込みのない者)の生死が7年間明らかでないとき(普通失踪),又は戦争,船舶の沈没,震災などの死亡の原因となる危難が去った後、その生死が1年間明らかでないとき(危難失踪)は,家庭裁判所は,申立てにより,失踪宣告をすることができる。

家督相続

民法旧規定で、戸主が死亡・隠居などをした場合、一人の相続人が戸主の身分・財産を相続すること。一般的に、嫡出男子(婚姻関係のある夫婦から生まれた男の子)の年長者が相続した。

遺産

相続財産と同じ意味。積極財産だけでなく消極財産(借金などの債務)も含むが,一般的に遺産は、消極財産を差し引いて残った相続財産の意味で使われることが多い。被相続人のみに帰属する権利・義務は相続財産には含まれない(例、年金請求権、扶養請求権など)

相続人

遺産を相続する人のこと。法定相続人と区別してよぶ場合、実際に相続した人のことをいう。

法定相続人

民法で規定された、財産を相続する権利がある人のことを「法定相続人」という。配偶者、子、父母(祖父母)、兄弟姉妹が法定相続人となれる。

相続欠格

被相続人や他の相続人を故意に殺害して刑に処せられるなど、相続人となる資格を失うこと。被相続人が、その者へ財産を残す旨の遺言書を残していても、相続人となることができない。手続きは不要で、取り消すことはできない。代襲相続はできる。

相続廃除

被相続人が、自分自身の意思によって推定相続人の相続権を失わせるもの。被相続人への虐待行為、被相続人への重大な侮辱などが挙げられる。家庭裁判所への申立てが必要で、取り消しは可能。遺言により、相続させることもできる。

相続人の不存在

相続人が誰もない場合、家庭裁判所は被相続人と生計を共にしていた者や、被相続人の療養看護に努めた者など、被相続人と特別の縁故があった人(特別縁故者)の請求によって、相続財産の全部又は一部を、この者に与えることができる。
それでも処分されなかった相続財産は、国のものとなる。

被相続人

相続される人のこと。

相続権

相続権には2つの意味がある。1つは、被相続人が死亡したとき、その遺産をもらえるであろうという期待権(将来一定の事実が発生すれば、一定の法律的利益を得ることができるであろうという期待を内容とする権利)のこと。もう1つは、相続開始後、相続財産を請求し得る権利のこと。

代襲相続

相続人となるはずだった方の子が、代わりに相続すること。
亡くなった方の子が既に死亡していた場合、さらにその子(亡くなった方の孫)が相続する。

順位

配偶者は常に相続人となり、第1順位に子、子がいない場合は、第2順位に父母(父母がいない場合、祖父母)、第1順位・第2順位の相続人が共にいない場合は、第3順位に兄弟姉妹が相続人となる。

法定相続分

法定相続分
① 配偶者と 子 供 が相続人  配偶者1/2 子(2人以上のときは全員で)1/2。                                       ② 配偶者と直系尊属が相続人  配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3。                               ③ 配偶者と兄弟姉妹が相続人  配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

相続放棄

相続開始後に、相続人が相続を拒否する意思表示のこと。3か月以内に家庭裁判所に申し出る必要がある。プラスの財産より、マイナスの財産が多い場合などにする。ただし相続放棄をすると、マイナスの財産だけでなく、プラスの財産も全て、継ぐことができなくなる。

相続放棄・承認

相続人は、相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内に、被相続人の権利義務を承継する、又は承継しない(放棄する)旨の意思表示をしなければならない。
さらに相続の承認には、単純承認と限定承認がある。単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産も全てを相続するもので、限定承認はマイナスの財産の範囲内でプラスの財産を相続するもの。期間内に申し出ない場合は、単純承認したとみなされる。

相続登記

不動産の所有者が亡くなり相続が発生したときに、亡くなった方が所有していた建物や土地などの不動産を、名義変更する手続きのこと。

(生前)贈与

自分の財産を無償で相手方にあげること。書面によらない贈与であれば撤回することができるが、書面による贈与の場合は撤回することはできない。なお、書面によらない贈与の既履行部分に関しても、撤回することができない。被相続人が生前に贈与したものについては、その贈与がなければ、当然に相続財産となったものなので、相続財産として計算する。
死後の贈与として死因贈与がある。

死因贈与

贈与者の死亡によって、効力が生じる贈与のこと。贈与は、自分と相手方がいて成立する「契約」というカテゴリーに分類されるので、受け取り拒否をすると、債務不履行になる。死因贈与に課される税金は、相続税。
例:自分が死んだらこの家をあげる。

遺贈

遺言によって財産を与えること。法定相続人以外に財産を与える場合などに使う。遺贈は贈与と違い、「契約」ではなく「単独行為」にカテゴリーされるので、受け取り拒否をすることができる。

遺言

生きている内に、相続分などについて書き残しておくこと。
自身の死後の法律関係を定めるための意思表示であり、遺言者の死亡によって効力が発生する。
15歳以上であれば、原則として誰でもできる。

遺言能力

1人で有効な遺言ができる能力であり、15歳以上であれば未成年者でも単独で遺言ができる。
また成年被後見人も、事理弁識能力を一時回復したときは、医師2人以上の立会いのもと、単独で遺言ができる。
事理弁識能力
自分の財産を管理する能力のこと。

成年被後見人

一人で契約ができない人のこと。
自分の行為の結果について判断能力がない人で、家庭裁判所から、成年被後見人であると審判を受けた人。本人、配偶者、4親等内の親族、検察官などが審判の請求をすることができる。

成年後見人

成年被後見人の保護者のこと。

遺書

一般的には、自分にもしものことがあったときの、家族にあてた手紙のことをいう。財産の分配についてより、自分の想いを書き綴ったものという意味で使われる。

遺言書

自分の死後の法律関係を定めるための意思表示を書き表したもの。
普通方式遺言と特別方式威厳の2種類があるが、一般的な方法は普通方式遺言である。
普通方式遺言にも①自筆証書遺言②公正証書遺言③秘密証書遺言の3種類の方法がある。

自筆証書遺言

遺言者が自分で遺言の全文・日付・氏名を自書し、押印する遺言の方式。
日付・氏名・押印のひとつでも抜けると無効となり、パソコンや音声で録音したものは認められない。家庭裁判所の検認手続きが必要。遺言書の内容・存在を秘密にでき、作成も簡単であるが、変造や滅失、相続発生時に遺言書が発見されない恐れがある。また、要件不備による無効、内容のあいまいさによって紛争の恐れもある。

公正証書遺言

証人2人の立会いのもと、公証役場にて公証人が遺言者の意思を文書にして作成する方法。      家庭裁判所の検認手続きは必要ない。公正証書遺言は「原本」「正本」「謄本」が作られる。「原本」は公証役場で保管され、「正本」「謄本」は遺言者に交付される。変造・滅失の恐れがなく、無効になる恐れもない最も安全な方法だが、若干の費用がかかる。            

秘密証書遺言

遺言者が署名・押印した遺言書を封筒に入れ、同じ印で封印し、公証人・証人2人の前に提出して、自己の遺言であることを証明してもらう方法。公証人や証人は中身の確認はしていないので、記載方法に誤りがあると無効となってしまう。
なお、秘密証書遺言として無効であっても、自筆証書遺言の要件を満たしているときは、自筆証書遺言として有効になる。

公正証書

公証人が作成した公的な証明力を有する証書のこと。例えば自分に万一のことがあった場合、その遺産を、どのように託すかについて決めておく、公正証書遺言。離婚する際に、養育費や慰謝料などの支払いを約束する離婚給付公正証書。お金を貸し借りする際に作成する金銭消費貸借契約公正証書などがある。公正証書は法律上完全な証拠力をもつため、契約などに不履行があった場合(養育費が払われなかったなど)これに基づいて強制執行(裁判による判決をもらわなくとも、その公正証書で、相手の財産を差し押さえ、支払いを実行する)をすることもできる。

検認

検認とは、家庭裁判所が行う手続きのこと。自筆証書遺言を発見した者は、封を切らずに家庭裁判所へ持っていく。その後家庭裁判所は相続人全員の前で封を切る。その作業を検認という。それにより、偽造や変造が防止される。

遺言の撤回

遺言をなかったことにすること。
遺言者は遺言の方式に従えばいつでも、遺言の全部または一部を撤回することができる。

遺産分割

被相続人の遺産は、一度相続人全員の共有となるため、各相続人に分配する必要がある。その分配する作業を遺産分割という。遺産分割には3種類の方法があり、1つは遺言による分割、もう1つは共同相続人間で協議を行う分割、さらにその協議がまとまらない場合に家庭裁判所に申し立てて決める方法がる。

遺留分

一定の相続人に最低限保証される遺産のこと。
遺留分が認められているのは、亡くなった方の配偶者(夫婦の一方からみた他方)子(子もすでに亡くなっている場合、孫)、父母(父母がすでになくなっている場合、祖父母)に限られる。
遺留分の割合は、相続人が父母(直系尊属)のみの場合は相続財産の1/3、その他の場合は相続財産の1/2となるが、兄弟姉妹には遺留分はない。法定相続分×1/2(1/3)

遺留分減殺請求権

遺留分権利者が、最低限保障してもらえる遺産の請求権。家庭裁判所に申立る必要がある。

遺留分の放棄

遺留分権利者は、遺留分を放棄することができる。
相続の放棄と異なり、相続開始の前でも後でも遺留分の放棄はできるが、相続人に放棄を強要する恐れがあることから相続開始前の場合は、家庭裁判所の許可を受けたときにしかできない。
また共同相続人の1人が遺留分を放棄しても、他の者の遺留分には影響しない。

不動産

土地およびその定着物のこと。定着物とは、土地に付着し、その土地と付着した状態で使うことで価値がでるもの(社会通念上認められているもの)。例えば建物、樹木、果実等。

相続手続き

相続の手続きとして、相続人は相続の開始があったことを知った日から3ヵ月以内に①単純相続②限定相続③相続放棄のいずれかを選択し、意思決定をしなければならない。

基礎控除

相続税の基礎控除額は[5000万+1000万×法定相続人の数]で計算し、相続税の課税価格の合計額から控除する。2015年1月1日から相続税法の改正により、[3000万+600万×法定相続人の数]となります。
なお、基礎控除額の計算においては、相続の放棄があった場合でも法定相続人の数に含めて計算する。

相続税

相続、遺贈、死因贈与によって亡くなった人の財産に課せられる税のこと。
相続税の課税最低限である基礎控除額は[5000万+1000万×法定相続人数]。
亡くなった人の配偶者が相続、遺贈、死因贈与などで財産をもらった場合には、その後の生活を保障するため相続税が軽減される。

相続税法

相続税法(そうぞくぜいほう、昭和25年3月31日法律第73号)は、相続税及び贈与税について、納税義務者、課税財産の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。 (相続税法1条)
相続税法(昭和22年法律第87号)を全部改正して制定された。

相続税率

相続税は、課税される遺産が多くなるほど税率が高くなる、累進課税方式を用いている。1000万以下は10%控除額なし。1000万円超~3000万円以下は15%控除額50万。3000万円超~5000万円以下20%控除額200万。5000万円超~1億円以下は30%控除額700万円 。1億円超~3億円以下は40%控除額1700万円 。3億円超は50%控除額4700万円 。

本来の相続財産

相続税法に規定された財産のこと。被相続人の不動産、現金、預貯金、有価証券など。相続放棄は、この本来の相続財産を放棄すること。

みなし相続財産

相続税法が相続財産とみなした財産のこと。生命保険金(死亡に伴って支払われる生命保険金のうち、被相続人が支払った保険料に対応する部分)、死亡退職金などがあたる。そのため、相続放棄をしても、みなし相続財産は、相続することができる。

生前贈与財産

相続開始前3年以内に贈与を受けた財産を、生前贈与として相続税の課税価格に加算する。

非課税財産

墓地、墓石、仏壇など。

代諾縁組

養子となる者が15歳未満である場合、承諾をする能力がないため、その法定代理人が代わりに縁組の承諾をすること。

代理

本人に代わって代理人が契約をすること。

法定代理人

未成年者の保護者など。
未成年者の財産に関する代理権が認められるため、法定代理人といわれる。
親のいない子どもには、家庭裁判所により後見人が選任される。

嫡出子

婚姻関係にある夫婦から生まれた子のこと。

非嫡出子

婚姻関係にない男女から生まれた子のこと。

嫡出否認の訴え

自分の子供ではない旨を認めてもらうための訴えのこと。
嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない。
また夫は子の出生後、その嫡出であることを承認した場合は、嫡出否認をすることはできない。

認知

夫婦間に生まれていない子を、自分の子として認めること。

直系尊属

父母、祖父母・曾祖父母などのこと。

直系卑属

子・孫・ひ孫のこと。

傍系尊属

おじ・おば(親の兄弟)のこと。

傍系卑属

おい・めい(兄弟の子)のこと。
※なお、兄弟姉妹やいとこ(親の兄弟の子)は単に「傍系血族」という。