相続遺言の基礎知識

相続・遺言の流れ

相続人の確定

相続人を確定するためには、被相続人(亡くなった方)の生まれてから亡くなるまでの戸籍を取り寄せる必要があります。「戸籍」とは出生、死亡、親子関係や婚姻などの身分関係を記録するものでありますから、それを見ることによって、どなたが相続人かわかるのです。例えば家族が誰も知らない「隠し子」がいた場合、戸籍などで調べずその後の遺産分割協議を行うと、相続人が欠けている遺産分割協議となりますから、無効です。無効ということは遺産分割協議をやり直さなくてはならないということです。意見が割れるなどし、やっとの思いで決めたことも無駄になってしまいます。そうならないために、最初の段階できちんと調べておきましょう。

確定方法

被相続人の生まれてから亡くなるまでの一連の戸籍が必要です。
詳しくは「戸籍の取り寄せ」をご覧ください。
相続人が確定したら、わかりやすくするために、「相続関係説明図」などを作っておくと良いでしょう。

財産調査

まず初めに相続財産について説明します。相続財産とは「プラスの財産」も「マイナスの財産」も両方含まれます。

プラスの財産 不動産、預貯金、有価証券、自動車、貴金属・宝石、骨董品、家具等
マイナスの財産 借入金、未払金(医療費等)、未納税金(住民税、固定資産税等)等
相続財産でないもの 被相続人が購入した墓地、墓石

被相続人の財産調査で、漏れがあった場合などは、もう一度相続人全員でその財産に対する遺産分割協議をしなくてはなりません。土地建物以外に私道をもっておられた方は、その私道も遺産分割の対象となりますので、ご注意ください。また、不動産を多くもっておられた方も、注意が必要です。ご自身で知っている以外に、もしかしたらまだ不動産があるかもしれません。その場合は、地番や家屋番号がわからなくても、不動産が所在する市町村さえわかれば、市町村の固定資産課税台帳に被相続人の名前で登録されている不動産があるかどうか調べてもらえます。この台帳は一般的に「名寄帳」と呼ばれ、市町村が固定資産税の課税のため一覧表にしているものです。ただ、名寄帳は、課税のために一覧にしているものなので、実際に所有しているかはまた別の話しです。また、共同担保目録を取得する、郵便物(請求書など)から推測するなどの方法があります。
財産調査ができたら、財産目録を作成しましょう。財産目録とは被相続人の財産を一覧にまとめたものです。それをもとに遺産分割協議書などを作成します。

遺産分割協議

遺産分割協議とは、被相続人の財産をどう分け合うか相続人間で話し合うことを言います。
その話し合いがまとまれば、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書と、それ以外に必要な書類を銀行にもっていくと、凍結されていた口座が動かせるようになります。また、不動産の名義を動かす際にも遺産分割協議書が必要です。
遺産分割協議書作成で気を付ける点
相続人全員が合意すること。財産の表記を正しくする。例えば建物や土地が相続財産であった場合、住所を書くだけでは足りません。建物は所在、家屋番号、その他の記載、土地は所在、地番その他の記載を書かなくてはいけません。
誰が相続するのか明確にする。現在判明していない財産が見つかった場合に、誰が相続するのか記載しておく。実印で押印する。

遺言書基礎知識

遺言とは、万一のことがあった場合、自分の遺産を、どのように託すかについて書き記すもので、この意思表示を民法の規定に従って残した物が遺言書(遺言状)。遺書とは自分に万一のことがあった場合のために書き残す文書や手紙のことです。遺言(普通方式)には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の三種類があります。
自筆証書遺言:遺言者が遺言の全文・日付・氏名を自書し、押印する遺言の方式。日付・氏名・押印の一つでも抜けてしまうと無効になり、パソコンや音声で録音したものは認められません。
公正証書遺言:遺言者が遺言内容を口述し、証人2人の立会いの下、公証人に遺言書を作成してもらう方式。
秘密証書遺言:実際にはほとんど使われていません。詳しくは用語集をご覧ください

遺言書を残しておいたほうが良い場合

・法定相続分と異なる割合で分配したい(遺留分は請求される可能性があります)
・法定相続人以外に財産を残したい
・法定相続人の中に財産を渡したくない人がいる
・配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合(財産が不動産だけですと、その不動産を売って得たお金で、分配することもあり、奥様が今住んでいる場所を出ていかなくてはならないかもしれません。)
・相続人がおられない方(遺言書がないと国庫帰属になる)
・相続人同士のトラブルを避けたいと考えている
・財産がわけにくい(不動産だけなど)

公正証書遺言作成

遺言書の種類

種類

自筆証書遺言

公正証書遺言

秘密証書遺言

作成方法

遺言者が
①遺言の全文
②日付
③氏名 を必ず自署し
④押印 する方法
(ワープロ・代筆不可)
証人2人の立会いのもと、公証役場にて公証人が遺言者の意思を文書にして作成する方法 遺言者が署名・押印した遺言書を封筒に入れ、同じ印で封印して、公証人・証人2人の前に提出し、自己の遺言であることを証明してもらう方法。
(ワープロ・代筆可。但し署名は必ず自署)

印鑑

認印可

遺言者は実印
証人は認印可

認印可

遺言書の保管

遺言者が保管

原本は公証役場で保管。
遺言者には正本と謄本(コピー)が交付される。

遺言者が保管

家庭裁判所の検認

必要

不要

必要

特徴

遺言書の内容・存在を秘密にでき、作成も簡単。
しかし、

  1. 変造や紛失の恐れがある。
  2. 相続発生時に遺言書が見つからない恐れがある。
  3. 要件不備による無効、内容のあいまいさによって紛争の恐れがある。
  1. 変造・紛失の恐れがない。
  2. 無効になる恐れもなく最も安全な方法。
  3. 但し、若干の費用がかかる。
遺言書の内容・存在を秘密にできる。
しかし、

  1. 変造や紛失の恐れがある。
  2. 相続発生時に遺言書が見つからない恐れがある。
  3. 要件不備による無効、内容のあいまいさによって紛争の恐れがある。
  4. 若干の費用がかかる。

遺言書の種類

公正証書遺言作成の流れ

①ご依頼者の方の要望を丁寧にヒアリング

②相続人確定作業、財産目録作成作業

③公証役場で打合せ(私たちが代行いたします。)

④原案のご確認。

⑤公正証書遺言作成当日

遺言者と証人2人が公証役場に行く必要があります。

この際に、遺言者の方は必ず実印を持ってきてもらうようにしましょう。
また証人になる方は認印で結構です。